【あるふぁもるとくらぶ】 第6号
【あるふぁもるとくらぶ】 第6号
年末が近づき、1999年があと10日未満となりました。
みなさま、忙しい日々を送っておられるのでしょう。風邪がひとまず
治まったひともいるでしょうが、次のものも流行するとのこと。
体調には気をつけて、年末年始を迎えてください。
とお詫びです。システムの変化の際、良く分かっていなかった為に、
一時的に、自分が抜けていました。その間、何もなかったとは思いますが、
ご迷惑をかけた方々に、お詫び申し上げます。
さて、今年最後のモルトクラブです。
まずはこれから、
※ブッシュミルズモルト 16年
Matured in Three Woods (マチャード イン スリー ウッズ)
最後の最初がアイリッシュウイスキーからです。アイリシュウイスキー自体、
シングルモルトウイスキーは少ない方で、これも珍しい方に入りますが、1
6年と言う年数だけでなく、マチャード(=2号を参照)を、3度行ってい
るところが、特筆したところだといえます。
一般に、2度のマチャード(ダブルマチャードと言います)は、比較的多く、
試されており、バルベニーのダブルウッドやグレンモーレンジのウッドフィニ
シュなどが有名です。この利点として、一度の熟成では成熟しづらい、味や風
味を、2度目の樽(おもにシェリー樽などの風味のいい物)によって強化し、
よりいい物を作ることが可能です。これにより、多くの個性を表現させること
が出来る為、最近では、他のウイスキーでも多く見られるようになりました。
ただ3度と言う物は、まだ珍しい方です。はじめにバーボン樽に寝かせ(こ
の間が何年とは書いていません)、次にシェリー樽、そして、ポート樽の順
のようです(それぞれも何年間とは書いていません。合計で16年だそうで
す)。
濃厚で、深い味わい、ある意味複雑すぎる仕上がりになっています。
※ザ・シングルカスク・コレクション(土屋守セレクション)
マッカラン8年 1990年蒸留樽詰め 1999年瓶詰め 60.7%
※同じく
グレンバーギ 23年 1975年蒸留樽詰め 1999年瓶詰め 56.7%
シングルモルトウイスキー評論家・土屋守氏が厳選して瓶詰め販売されている
シリーズです。現在は10種類近いラインナップがあり、そのうちの2本です。
共にカスクストレングスで、その味には定評のあるモルトです。
マッカランは、この特徴である甘みが先に感じられ、ゆっくりとしたフィニ
シュが感じられます。少し、ぴりぴりとした感じがあるかもしれませんが、
オフィシャルの100プルーフよりは、確実においしいです。
グレンバーギは、モルトとしても比較的珍しいものです。バランタインの
キーモルトで、オフィシャルボトルとしては発売されておらず、ボトラーズの
物だけが、出回っています。他のと特徴として、ローモンドスチルを使って作
られたセカンドラベル(=4号参照)、グレンクレイグがあり、飲み比べても
面白いと思います。
口当たりは案外軽く感じるかもしれませんが、タイムラグのある、静かなフィ
ニシュは、面白く、味わい深い物だと思います。
∬シングルモルト用語集
今回は特別な言葉が出てこなかったので、熟成とエンジェルシェアについて
熟成とエンジェルシャア・・・シングルモルトウイスキーの味と風味を司る重
要な要素として樽熟成はなくてはならない物になっています。
この樽熟成という、行程がモルトウイスキーの製造過程の中に入った歴史はま
だ新しい方です。
「1707年、すでに完全なるイングランドの支配下にあったスコットランドは、
合同議会の席で、モルトウイスキーに対する課税を決定。更なる増税の方向へ
と進みつつあった。しかし、蒸留者達は、その法律には従わなかった。イング
ランド人に対する侵略された歴史を忘れてはおらず、一方的な命令に逆に反抗
し、山々や田舎の辺境に隠れて製造を続けていた。彼らのことをスマグラー
(密造者)と呼び、長い隠遁の時期があった。この中で、ゲイジャー(徴税官)
からウイスキーを隠す手段として、樽や壷に隠され、この結果、それまでは粗
らしいお酒でしかなかった、ウイスキーを、豊潤な味と香りがついた物へと変
化させた。この経緯により、樽に寝かせることが一般化し、今日に至る。」
この樽熟成の正確なシステムは、まだ解明されていませんが、樽に入れて寝か
せることにより、樽の木のごくわずかな隙間から、アルコールが蒸発し、その
際、お酒に樽の成分(ヴァニリンやタンニン)が染み出すことにより、その色
と香り、味がつくと、基本的な分析で明らかになっている。
ただ、その際の樽違いによる微妙な変化や、保管場所の空気の流れや気温、湿
度の違いなどから生ずる変化の違いなどは、自然任せと言うのが現状で、正確
な分析はなされていない。これは、ウイスキー作りには、必要以上に人は干渉
しないと言う伝統が続いているからであろう。その一つがエンジェルシェアで
ある。
樽の中で熟成する際、アルコールの蒸発が重要であると先に書きましたが、当
然、蒸発すると言うことは量が減ると言うことを意味します。これは、現在で
は樽の呼吸による変化で、樽によってまちまちでしょうが、年間に約 2パーセ
ントほどが蒸発していると考えられています。この事を、向こうの人達は、お
いしいウイスキーを作る代わりに天使が、その分け前として少しずつ飲んでい
ると考えれれていて、「天使の分け前=エンジェルシェア」と呼ばれています。
単純に計算しても、10年樽の中で寝れば、最初に入っていた量の20パーセン
トがはっていることになり、一般的に使われているバーボン樽(バレル=18
0リットル)では、36リットルの量が減っていることになります。酒飲みの
天使が多いと現地の人は冗談交じりに言います。これが30年になると、半分
以下になります。熟成と言う物がいかに重要かつ大変なロスを含む作業かがよ
くわかるでしょう。つまり、年数が立っている物が、値段が高いには、単に高
価と言うわけではなく、30年の時間の中で、飲まれなかったお酒に対する代
価でもあるのです。
熟成の数字と言う物は、単なる数字ではなく、その時間をかけて成長したと言
うモルトウイスキーの人生の証のようなものであるといえるでしょう。
今回はここまでです。
この先どこまで続くかわかりませんが、気長にお付き合いして頂ければ、いいと
思っています。では次回は、ミレニアム1発目と言うことで、ミレニアム特集で
もしましょうか(言い切ると後が恐いですが・・・)。
でわ、最後のごあいさつ。
本年はお世話になりました。また来年もよろしくお願いします。
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良いウイスキーには自然と時間、そして、人の心が必要である。
malter