【あるふぁもるとくらぶ】 第10号


【あるふぁもるとくらぶ】  第10号

じめじめした季節がやってきました。
本格的な梅雨になるとのこと。季節的には、あまりハードリカー的な時期ではあ
りませんが、モルトの香りと喉越しで、このいやな季節を乗り切りましょう。

で、やっと10号まできました。よく続いたと思いますが、これからも、出来る
限り続けていきたいとおもいます。
そこで今回は、うちのメインモルトである、ソサエティ物で新旧お勧めの物を
ご紹介します。

はじめに、
※26.11 クライヌリッシュ 9年  57.1%
  90年蒸留樽詰め  99年瓶詰め
  ブローラ川を水源にしている蒸留所。1967年に元の蒸留所の隣に新しい蒸
  留所が建築され、その新しい方の蒸留所が現在のクライヌリッシュです。旧の
  蒸留所はブローラ蒸留所と改名し、その後も操業していましたが、1983年
  に操業を停止しています。完全閉鎖ではなく、再開の可能性があります。
  香りはシャープでドライ。味は若干の甘みを感じるものの、喉越しはドライに
  仕上がっています。フィニッシュも長く、時間をかけて楽しめる仕上がりにな
  っています。
  
※35.14 グレンマレイ  16年 60.0%
  80年蒸留樽詰め  96年瓶詰め
  全体的に休止期間が長かった蒸留所。その一つのエピソードとして、この蒸留
  所はかつては、ビール工場で、その前が処刑場だったらしく、1962年に熟
  成庫増設建設中に、頭蓋骨が発見されたとか。その不気味なイメージも祟って
  か、休業期間も長く、比較的評価は低めです。
  しかし、このモルトの味は良いです。シェリー樽フィニッシュからくる、甘い
  香り、濃い色、濃厚な味。元々のグレンマレイを更に深くこく、仕上げた一品。
  出来は大変良く、食後に飲むとデザート代わりになりそうな甘さがあります。
  後味はややドライ。フィニッシュは早い。
  
※42.9  レダイグ(トバモリー) 7年  61.3%
  92年蒸留樽詰め  99年瓶詰め
  この蒸留所の詳細は前号(9号)を参考にしてください。
  このモルトはとにかく面白いのが特徴です。というよりは、特殊な味わいを持っ
  たものです。色は若干濃く、シェリーフィニッシュであると推測できるが、香
  りは複雑。単純に甘みだけが来るのではなく、もっと他の香りもたちます。
  味はさらに複雑で、やや薄いお茶のような味もします。甘みとドライさの両方
  が楽しめ、フィニッシュは限りなく長く残っります。この上なく、興味深く、
  奇妙なモルトです。飲んでみる価値があるものです。
  
※96.4  グレンドロナック  16年  58.8%
  79年蒸留樽詰め  95年瓶詰め  
  その生産地がスペイサイドのぎりぎりの位置にあるので、その分類に少々難の
  ある蒸留所。過去はスペイサイドとなっていましたが、現在はハイランドの中
  に入っています。グレンドロナックとは、ゲール語で「クロイチゴの谷」の意
  味。
  このモルトは本来のドロナックとは、少し違います。ドライな味が全面に出て、
  ぴりぴりとした辛みが残ります。人によっては、痛いと感じるかも知れません。
  しかし、喉の奥にほのかに甘みが残り、心地よい。良く仕上がっています。
  
 ∇シングルモルト用語集
 今回はスコッチモルトソサエティのものを紹介しました。そこで、本編で正式に
 説明をしていない、ここのことについて説明いたします。
 前回(3.5号)の説明を前提にもう少し詳しくご説明します。
  スコッチモルトソサエティ・・・・スコットランドの首都・エディンバラ。そ
  の中心街はヴェヴァリーステーションの周辺で、エディンバラ城もその近くに
  あります。その中心街から、徒歩で約30分。北側に位置する閑静な港町リー
  スにその本部はあります。1階はパブ&レストランになっていて、別経営との
  こと。その二階、正面の階段を上がってドアを開くと受付があり、その奥には、
  ゲストルームがあります。正面カウンターのバックバーには、約60から70
  本近くのビンが並んでいます。現在出ているもののすべてが並んでいて、日本
  未発売の物や、最新の商品が並べられています。テイスティングはもちろん、
  ボトル買いも、あればできます。また、宿泊施設もあり、会員ならば格安で宿
  泊で来るそうです。ただ、中心街から遠いのが難点ですが・・・。
 この会の元々の形は、スコットランドに住むモルト愛好家の集まりがきっかけで
 した。その説明は、入会した際に貰った、ソサエティの代表者の一人、フィリッ
 プ・ヒルズ氏の言葉を抜粋して説明とします。
 「1960年代まで、モルトウイスキーはスコットランド以外では、無名の存在
 で、極一部の人達の楽しみでしかありませんでした。それを、製品化するにあた
 り、蒸留者たちは、品質の統一化を進めました。樽ごとの熟成、変化、個性、風
 味を均一化する為、それぞれの樽を混合し、加水して、アルコール度数を40度
 まで下げ、定温熱作業、フィルターろ過を行います。=中略=。
   私にはスコットランド北部、アバディーンに牧場を経営している2人の友人が
   いました。20年近く前、ここを訪れた際、ラベルの貼られていないモルトウ
   イスキーを頂きました。私は今まで、こんなにすばらしいウイスキーを味わっ
   たことはありませんでした。そしてどうしたらこんなすばらしいウイスキーに
   なるか考えていました。
 このウイスキーは、グレンファクラスで数ある蒸留所の中でも、小さい樽から直
 接瓶詰めにして、特定の顧客に販売されていた物でした(いわゆる、樽だしの瓶
 詰め販売)。そして、幸運にも私は、その顧客の一人になり、友人と分ける為に、
 樽ごと販売してもらうことにしたのです。それから、2、3ヶ月後とに、20名
 ばかりの友人達とともに、ウイスキー蒸留者達を説得し、手に入れたウイスキー
 を賞味していったのです。=中略=。
   この友人達のかなりのモルト通で、自分達の物が、一般に市販されているもの
   よりも、優れていると意見が一致しました。これには2つの理由があり、一つ
   は、手に入れている樽が上等な物で、従って、中身も水準以上に質が良いと言
   うこと。2つ目に、加水せず、フィルターろ過も行わず、樽だしの状態である
   と言うこと。=中略=。さらに、その素晴らしさにも関わらず、今まで瓶詰め
   されなかった希少価値のあるものも味わえるようになったのです。
 この小さいモルト愛好家達の集まりは次第に知られるようになり、参加したいと
 いう多くの人々の要望もあって、スコッチモルトウイスキー協会(SMWS)を
 発足させました。それが、10年前のことです。それ以来、協会は順調に発展し
 ています。気の合う仲間同士が世界で最もすばらしいスピリッツを分かち合い楽
 しむと言う会の主旨は今でも変わっていません。=後略=(一部分かりやすく、
 手直ししました)」
  
 現在はエディンバラの本部以外にも、ロンドン支部、アメリカ支部、日本支部な
 ど広がりを見せています。
 入会資格は特にありません。成人していてモルトの好きな方なら、誰でも入会で
 きます。ただ、入会金、一本あたりの値段が割高なのが、気にはなりますが・。
 
と言うことで、今回はここまでです。
初心者モルトオフも近いですが、次は何を書こうか、今から悩んでいます。次回
は出来るだけ早く出すようにします。
でわ。
  
 良いウイスキーには自然と時間、人の心と樽が必要である。 
  malter

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