【あるふぁもるとくらぶ】 第11号
【あるふぁもるとくらぶ】 第11号
夏本番です。皆様、暑さでばててはいないでしょうか。
夏ばてなどには負けずに、良く食べ良く飲んで、乗り越えましょう。
で、良く考えると、このもるとくらぶはこれで、1年を迎えました。
これもみなさまのおかげです。ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
と言うことで、今回は、先に行われたモルトオフに出した物から
いくつか面白いものを載せてみます。(遅くなりましたが・・・。)
少し間が開きましたが、改めて見てください。
※スコッチモルトソサエティ 71.10(グレンバーギ)
1983年蒸留樽詰め 1994年瓶詰め 11年 56.7%
バランタインの中核モルトで、オフィシャル物が発売されていません。ボトラー
ズのみで飲む事が可能で、入手が難しいものの一つです。最近は幾つかのボト
ラーズ物が出されている為、比較的見るようになりました。
香りは濃厚でビター。若干のアルコール臭が鼻を突きますが、甘い香りが後に
続きます。舌に絡み付く粘りがあり、甘みが口全体に広がります。喉に引っ掛
かりはないものの、フィニシュは長く甘いです。
全体的に、香り味ともにバランスの取れた一品。
※グレンクレイグ(G&M)
1970年蒸留樽詰め 1996年瓶詰め 26年 40%
上記のグレンバーギ蒸留所で作られた物。特殊なローモンドスチルと呼ばれる
スチルを使って蒸留し、熟成された物をこの名前で詰めています。
これは、ハイラムウォーカー社に買収された後に、1958年に導入されまし
た。しかし、1981年に取り外され、それ以後は製造されていません。
香りは薄く、やや弱い。あっさりとした味ですが、意外にフィニッシュは長い
です。珍しい飲み口です。
※ロングロウ(ドリーム)
1987年蒸留樽詰め 1999年瓶詰め 12年 45%
イタリアのボトラーズ、サマローニとマンギアルディノ(?)の共同製作モル
ト。特殊なラベルが特徴です。(ロングロウについては、第4号を参照。)
香りはさほど強烈ではないですが、ピーティさが広がります。味は初めは柔か
く感じますが、ゆっくりと焦げ臭い味と苦みが広がってきます。フィニッシュ
は長く、いつまででも楽しめる逸品です。うまいです。
※ポートエレン(シグナトリーミレニアムモルトシリーズ
1975年蒸留樽詰め 2000年瓶詰め 25年 43%
前々号(9号)で紹介したものと、同年蒸留、1年長期熟成とはいえ、似ても
似つかぬ仕上がりになっています。元々の素材、もしくは熟成に使われた樽が
違うとしか思えません。色も濃く香りも強く、味もしっかりしています。24
年物の品質が下と言うわけではなくて、こちらの方がより良い仕上がりになっ
ていると言った方が良いでしょう。本来のポートエレンらしく仕上がっている
と言うべきです。飲み比べると一目瞭然です。試してみて下さい。
ζシングルモルト用語集
1年を迎えましたが、良く考えたら最も基本的なことを書くのを忘れていました。
すなわち、「シングルモルトウイスキーが出来るまで」です。
という事で、改めて、その出来る行程を、わかりやすく書いて見たいと思います。
《 シングルモルトウイスキーが出来るまで =1= 》
シングルモルトウイスキー(以下モルト)の製造においてまず第1に来るのが原
料です。
1、原料・・・モルトの原料は、大麦ですが正確には大麦=モルトではありま
せん。大麦はバーレルで、モルト=麦芽です。ちなみに原料である大麦は二条
大麦を使います。ビールは基本的には六条大麦を使うので、同じ麦を使うお酒
とは言え、根本的に違います。
麦芽とは、原料の麦を水に浸透(浸麦)させ、若干、芽が出た状態で成長を止
めたもので、芽の出た麦、すなわち「麦芽=モルト」です。
この麦芽にする際の作業が一般に言うフロアモルティングです。
2、浸麦、発芽、フロアモルテイング・・モルトに水を浸透させ発芽を促すこ
とを「侵麦」と言います。これは、麦そのものでは、アルコール醗酵がおこら
ないので、発芽の際に麦の中に発生する酵素を利用する為です。このやり方に
近いものが日本酒の製造工程にあった「口噛み方」と言うものです。米も同じ
く単体では、醗酵しない為、一度人が口の中で噛み砕き、唾液と混ぜてから、
壷に吐き出すというやり方です。この時唾液と混ぜったでんぷんが糖化し、醗
酵をはじめます。やり方は少し違いますが、醗酵を促すと言う行程は、先人達
の知恵の結晶と言えます。
話を戻して、この発芽の際、大量の熱が発生する為、絶えずその熱を拡散させ
る為に行う作業を「フロアモルティング」と言います。伝統的には、モルトマ
ンと呼ばれる職人が、木製シャベルを使ってかき混ぜると言うものでしたが、
現在は重労働の為と生産性の効率の問題から、ほとんどの所でそれは行われて
おらず、モルトスター(第5号参照)で大量生産を行われています。しかし、
各蒸留所ごとの麦芽のレシピがあり、それに従って製造されている為、麦芽の
個性は各蒸留所ごとにあるといえます。
この時、乾燥させ、成長を止める際に使うピートによって、個性豊かなモルトに
なる第一の条件になります。
3、乾燥、ピート・・・麦芽の芽がある一定の長さになるとその成長を止める
為に乾燥を行います。キルンと呼ばれるカマド室でその作業を行います。
キルンの上には麦芽が落ちないように網目状になっていて、その下で、ピート
をいぶし、その煙で乾燥させていきます。
このピートの使用は、苦肉の策から生まれたものだとされています。この乾燥
の際に燻す炭が、この地にはほとんどなく、ピート(泥炭)しか取れなかった
為、それを使い、結果として、個性豊かなモルトを生まれさせたのです。
この時のピートの使う量が「麦芽のレシピ」と呼ばれ、蒸留所ごとに秘密のレ
シピがあると言います。それをモルトスターが委託製造しています。
この量が多くなれば、一般に言うヨード臭い香りがつき、好き嫌いが激しい味
が生まれます。代表的なものがアイラモルトです。また、少なくするとピート
臭は弱くなり、麦芽本来の香りが強くなっていきます。このピートの数値を、
「ppm」で表されます。最も強いアードベックで50ppm、弱いグレンモー
レンジで2ppmだそうです。この数値は製造過程が進むに連れ、弱くなり最
終的(瓶詰めの段階)には4分の1にまで下がるそうです。
以上の行程を『製麦行程』と言い、モルトの製造に重要な4つの要素の一つです。
と言うことで、今回はここまでです。以下は、次号に続きます。ちゃんと完成ま
でいくでしょうか?乞うご期待と言うことです。 でわ。
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良いウイスキーには、厳選な素材へのこだわりが必要である。
malter from